運動しないで痩せることは可能なのでしょうか?ダイエットを試みた人であれば一度は考えたことがある疑問かもしれません。運動というのはカロリーを消費する行動であり、食事や間食によって摂取しすぎてしまったカロリーを減少させることになります。
そして、当然ながら消費カロリー量よりも摂取カロリー量が上回ってしまえば、肥満につながることになります。逆に消費カロリー量が摂取カロリー量よりも多くなれば、体は基本的に痩せることができるはずです。ということは、運動によって消費カロリーを増やさなくても、食事によって摂取カロリーをコントロールできれば、ダイエットにつながるといえるのではないでしょうか。
とはいえ、食事を制限するのはなかなか難しい場合もあります。食べることが好きでストレス解消になっているという方もいるでしょうし、我慢することが新たなストレスになってしまうという方もいるでしょう。楽して痩せたいと考える方が気持ちよく自身の体を向き合っていける食事法を考えたいですね。
また、食事以外にも意外な生活習慣が自身を太って見えさせてしまっている可能性があります。今一度、普段のライフスタイルを見直し、不健康に陥ってしまっている部分を改善して、「がんばらないダイエット」を目指していきましょう。
がんばらないダイエット法
ダイエットをしたいと考えている方の中には、肥満というわけではないという方もいるでしょう。人によって理想の体形はそれぞれなので、人の意見に左右されることなく自身の思う「自分らしい」体づくりを意識することが大事です。それを踏まえた上で、痩せたいと考えている方はまず自分の体のどこが気になっているのか、そしてその原因を洗い出していきましょう。
ダイエットに臨もうと意気込んでも、どうすればいいのか、また、いつまでにどうしたいのかが明確でないと、目標が定まらず、長続きしない可能性もあります。また、改めて考えるとだれかの何気ない一言がきっかけで痩せたいと思っていただけで、自分自身は今の体のままが心地いいということもあるかもしれません。無理をせず、自身の意思を最優先に動くようにしましょう。
普段の生活を見直す
基礎代謝とは、運動をしなくても消費されていくエネルギーのことを指します。これが上昇すると、体脂肪が燃焼されたり、食事したものが体内に蓄積されるのを抑えたりする働きが得られるので、運動せずにダイエットしたいという方はまず基礎代謝を上げることを重視してみてください。
基礎代謝を上げ、消費カロリーを増やすためには毎日の生活の中でひとつひとつの動きを意識して行うなど、工夫が必要です。たとえばエスカレーターやエレベーターよりも階段を選ぶようにする、普段よりも早足で歩く、料理をするときはつま先立ちをする、移動中もお腹に力を入れる、など。負荷としては大きくなく、楽に行える行為ですが、毎日繰り返すことで基礎代謝アップにつなげることができます。
また、睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると肥満になりやすいともいわれています。特に22時から深夜2時までは「睡眠のゴールデンタイム」と呼ばれ、この時間に睡眠をとることで成長ホルモンが分泌されやすくなり、脂肪が燃焼されやすくなるといわれているので、早寝早起きの習慣を身につけるのもよいでしょう。早く寝ることで深夜にお腹が空くという事態も防ぐことができます。
あとはやはり姿勢を整えることも重要です。無理なく自然と腹筋や背筋を使うことになるので、筋力アップにもつなげることができます。常に綺麗な姿勢をキープするのは難しいかもしれませんが、気づいたときに意識して正すだけでも、それを毎日の習慣にすることができれば効果は期待できるのではないでしょうか。
食生活の改善
繰り返しになりますが、摂取カロリー量が消費カロリー量を上回ると、それが太る原因になってしまいます。体脂肪を減らしたいのであれば、1日に必要なカロリーをきちんと見極め、それに収まる量まで摂取カロリーを減らす必要があります。
しかし過度なカロリー制限はストレスを招いてしまったり、体調不良の原因になったりすることもしばしば。無理に糖質や脂質を避けるのではなく、毎日バランスよく栄養バランスを考えながら食事をすることが大事です。
糖質が多く含まれる食べ物といえば、白米やパン、麺類といった炭水化物、あるいはスイーツやジュース、そして果物、芋類などが挙げられます。「糖質ダイエット」というものもありますが、糖質は体のエネルギー源となる栄養素なので、完全に摂取をしないのではなく、摂取量をコントロールしていくことが重要です。
脂肪についても同様です。無理に避けるのではなく、オメガ3脂肪酸のような良質なものを適度にとるように心がけること。オメガ3脂肪酸はエゴマや亜麻種子などの植物油、鮭、鮪、鯖、鰯といった魚類に含まれます。
まずは普段の食事で自身がどんな栄養素をどのくらい摂取しているのか把握することから始めてみるといいかもしれません。そのうえで、どのようにバランスを見ながら摂取量をコントロールしていくのか考えていきましょう。
なお、先述した基礎代謝は20~40代男性で約1,500kcal、女性で1,200kcal程度だといわれています。もちろん年齢や性別、筋肉量、そして季節などによっても異なるものなので、一人ひとり固定の数値があるわけではありません。しかし、この数値を目安に摂取カロリーを調整することができれば、ひとまず肥満になるような心配はないのではないでしょうか。
あとは代謝を落とさないためには、筋肉を生成したり維持したりする働きをもつタンパク質が必須です。筋肉量を維持できれば、その分エネルギー消費量が増えることになるので、太りにくい体質づくりにつながるといってもいいでしょう。
摂取カロリーを極端に減らしてしまうようなダイエットを行った場合、体はエネルギー不足に陥り、筋肉を分解してそれを補充しようとします。すると当然ながら筋肉量が落ちることになるので基礎代謝も低下してしまいます。筋肉を維持するには適度な運動はもちろんですが、高タンパク食材が欠かせないということです。
しかしタンパク質のとりすぎは腸に負担がかかることもあるので、あくまでもバランスを見ながら適度に摂取していくことが大事だと考えてください。
マッサージを取り入れる
たとえばデスクワーカーなど、朝と夕方では脚の太さが違うと感じている方も少なくないのではないでしょうか。体を動かすことなく長時間同じ姿勢でいると、脚の筋肉が動きにくくなって血流が滞り、いわゆる「むくみ」を引き起こしてしまうことがあります。
脚の筋肉は、流れてきた血液やリンパを上へ戻す役割を担っているのですが、そこを動かさなくなることで、上に押し戻すことができなくなるということになります。もちろん改善するには適度に体を動かすことが大事ですが、仕事中など思うように動けないことは多々あるでしょう。
家に帰ったら毎日お風呂に浸かりながらマッサージをする、というだけでも効果は期待できます。むくんだ状態では本来の体よりも太って見えてしまうのは当然。もしマッサージでそれが改善できたらうれしいですよね。まずは肌を傷めないようにお風呂に浸かったまま、あるいはボディクリームで滑りをよくしてから試してみてください。
がんばらないダイエットは長期戦
今回ご紹介したダイエット法はいずれもすぐに効果が得られるものではないので、長い目でじっくりと挑戦してみてください。
ポイントになるのは、過度に摂取カロリーを減らさないこと、同時に栄養バランスはちゃんと考えること、そして血流の流れなども意識して体を労わること。マッサージなどをしていると直に自身の体に触れるので、思わぬところが凝っていたり、もしかしたら痛みを感じる場所があったり、さまざまな気づきがあると思います。
自分の体をよく知ることは、これから理想の体に近づくための第一歩といえるでしょう。無理をせずに毎日コツコツと慈しむように続けてみてください。
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